2022.11.29(火)Ⅱ

起き掛けの美代さんは調子が善くない。

「美代さん、自分の名前、名字から言える?」


普段から母のことを名前で呼ぶので、これまでのデイケやデイサでも同じ様に名前で呼ばれていた。
八幡平市に戻ってからもそれは変わらない。
自分の名前はすんなりと出てくるものと思っていた。


名字を言おとして、旧姓と婚家のどちらなのかを悩んでいた。
ひたすら二つの名字を口にし、名前のことはすっかり飛んでいた。
結婚して夫の籍に入ったら、名字は代わる。でも、二つもアリですものね。

「ねぇ、名字はもういいよ。名前、言える?」


認知症は、一度に複数のことを理解することが難しい病気。
名字で悩んだ美代さんは、名前のことを言われても処理しきれなかったようで、結局名前は出ないまま。

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朝は、娘のわたしのことも分らなくて、妹だの他人の誰それさんだと言う。
これに関しては致し方ないことだけれど、せめて自分の名前はねぇ。

寝起きの調子の悪さが続いたら、いつかは「わたしは誰」になるのかしら。
そんな日が来ないことを願いながら「美代さん」と、呼び続けるのでしょうね。


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