2021.12.4(土)

独居老人は、日々何を想い生きているのだろう。

母美代さんは、これまでの88年の人生の中で、独り暮らしの経験は一度もない。
大家族の中で育ち、嫁ぎ先でも舅・姑・小姑と、常に家族の誰かが居た。

父が亡くなってからも、わたしの娘たちとの3人暮らし。
娘たちの帰りが遅い時は、何故かわたし宛てに電話をかけてきた。

「ユカもサキも帰って来ねども、おめ、なにが聞いでるが?」

「は?、あの子たちは、もう大人だよ。そのうち帰ってくるよ。第一、遠く離れて暮らすわたしに、いちいち言ってくるはずないでしょ」

こんな会話をしたことが、何度かある。
そのついでと言っては何だが、おまけ的なことも言われた。

「何だが寂しくてよ・・・おめは、一人でいで寂しぐねのが?・・・あ、ネゴだぢいるがら、寂しぐはねが(寂しくはないか)

夜に、ポツンと一人になることが寂しくてしょうがないのだと言っていた。

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人は、どんな時に寂しさを感じるのだろう。
孤独とは、どの様な状態でのことを言うのだろう。

わたしは、夫が亡くなった際に実家に戻り、半年ほど母や娘たちと暮らしていたが、その生活に疑問符を抱き始めていた。

自分らしくいられない・・・。
親や子どもに囲まれていても、楽しくない。
古河に戻り、元の職で頑張ってみよう。
幸いなことに、復職については工場長から快諾を頂けた。

いざ一人暮らしが始まると、強気で居た自分が恥ずかしくなるくらい、毎日泣いていた。
それは、母や娘たちと離れたからではなくて、夫がいないことの寂しさからだった。
仕事中は職場の仲間たちがいたことで、気を紛らすことができていたが、家路の車の中ではもちろんだが、帰宅後も寂しくて胸が押しつぶされる感覚に陥っていた。
それでも母や娘たちには、自分で一人暮らしを選んだ手前、泣き言は言わなかった。

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独居老人。
わたしは、たぶんまだ老人ではない。
でも、すこぶる近い位置にあると思う。
母美代さんではないが、寂しいと呟いていることがある。


お一人様で生きようと決心した訳ではない。
ただ、独りのほうが気楽なのは間違いはない。

この先の10年・20年を、どこで誰と生きるのか。
最近は、そのことばかりを考えている。


「寂しくてよ・・・」

こう言っていた美代さんは、今は特別養護老人ホームで、お仲間さんやスタッフさんに囲まれて暮らしている。
寂しいと思ったり、呟いたりすることがあるのだろうか。


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