2021.513(木)

母美代さんが入所している特養へ、面会に行ってきました。
ガラス越し面会で、電話を使っての会話。
車椅子に乗せられ、あたしの顔を観ても表情一つ変えなかった。

「美代さん、あたしのこと、解かる?」

「わがるさ、まやだ。しばらぐ会えねがったども、なしてだ?」

「今はコロナだからね。コロナがなくなったら、何度も会いに来られるからね」

「そが」

入所させたその日にも、入所のことなど聴いていないと言っていたので、「どうして入れたんだ!」とか、「帰りたい」などと、言われるのではないかと、少々ひやひやしていましたが、家に居るときと代わりのない、いつもの美代さんでした。

「寒くない?ちゃんと寝られている?ご飯は食べている?痛い所はない?友達はできた?」

一度に訊いても聞き取れないので、これらのことを順番に訊いてみました。

ズボンが短く足首が出ていたので、下ズボンを穿いていなことが判り、寒くないかと訊くと、自分から脱ぎたいと言ったのではなく、誰かに脱がされたと。
施設内は冷暖房完備で季節感は解らないと思い、天気の良い日に脱がすように頼んでいたので、スタッフの配慮だと納得。
ひざ掛けを持たせたので、掛ける日もあると言っていた。

夜は熟睡できているようで、何より。

ご飯については、一番の悩みの種だったけれど、美味しく頂いているとのこと、これも何より。

膝の痛みがあると言っていたが、これについては家に居た時からなので致し方なし。上手にお付き合いしていくしかないね。

友達はできたそうで、男性も女性もいると。
部屋に入って話すこともあると言っていたので、そんなに親しくなったのかと少し複雑な心境(苦笑)

一番聞きたかったこと。
それは、帰りたいと思っているかということで、恐る恐る訊いてみたが、特養での暮らしに満足していると言っていた。
部屋からは田んぼが見え、農業の話をできる人はいないが、田んぼを観ながら世間話をしていると言っていた。

入所前には田んぼの見えない部屋に入居することになっていたが、こちらの特養を選んだ決め手は、周りを田んぼに囲まれていることで、土と共に生きた来た美代さんにとっては、サイコーの環境に思えたから。
そのことを強く押し出し、あたしの希望で田んぼが見える部屋に移して頂けた。


美代さんとの会話を終え、スタッフさんと話すことができた。
美代さんが居るフロアーは、比較的穏やかな人が多く話しやすい環境なのだそう。
山形出身の方がいらっしゃるそうで、「方言と言うか・・・お互いが判る会話をしていらっしゃいますよ」と。
男の友人とは、たまたまショートステイが隣のフロアーで、そこに居た人と話ができたのだそうで、お喋りができる環境であることも、何よりです。

「初めの頃は小食でしたが、この頃は沢山食べていますよ。そして、とにかく穏やかで手の掛からない方です。母の日に贈られたカーネーションは娘さんからだと理解していました。それから、一番は、帰りたいと言わないことです。これには驚いていますし、なぜ入所することになったのかを理解されています」

美代さんには「歩けなくなってきたので、家での暮らしは厳しくなってきたから」と、話していたが、このことを理解し「家に居ると危ないから」と、スタッフに話ているそうだ。

在宅介護の時は傾眠が多かったが、入所後はそれもなくなり、話をしていることが多いとのことで、話好きの美代さんにとっては、良い環境なのだと思った。

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本来なら、ドアを開けての面会はできないが、写真を撮るのでその時だけ開けて下さった。
もちろん、会話はしていない。
入所者は、普段からマスクはしていないのだそう。

友達と仲良くすること。何かがあったらスタッフにちゃんと言うように。
この二つをしっかりと伝えた。

帰りの際、あたしはバイバイをしたが美代さんはそのことに気付かずに、そのままスーッと行ってしまい、何だか拍子抜け。
面会中は、笑顔がなく淡々としていたが、寂しいとか帰りたいという言葉が出なかったことに、取り敢えず安堵した。

月に2回の面会が許可されているので、次回の面会は、月末の予定を申し込んできた。

PS
この施設に来たことがあるのか?知っているのか?
こんなことを言われました。

岩手みやげのお菓子ですが、渡すことができました。
おやつの時間に出してくださるとのことでした。