2021.4.26(月)

今日、母美代さんは特別養護老人ホームに入所しました。

ホームへ向かう途中、利根川橋から富士山の雪を被った頭の部分が見えました。
あれが、富士山だよと教えると、

「富士山はここがら近いのが?」

「かなり遠いよ、でも天気の良い日は見えたりするんだよ」

「岩手山は見えねのが?」

「岩手山は見えないなぁ・・・」

道すがら、ホームに入所するとそこが家になることや、コロナ禍なので簡単には外出ができないこと等を話しました。

ホームに入所することは、あたしが半強制的に決めたことで、この1週間の間事あるごとに教えていましたが、毎回忘れているので、毎回同じことの繰り返しの説明でした。

DSC_1216

ホームに着くと、早速車椅子に乗せられ館内へ。
一旦談話室に入り、そこが美代さんとのお別れの場所になりました。

「美代さん、車の中でも話したよね。今日からここが美代さんの家になるのよ。皆様方の言うことを聴いてね。友達をちゃんと作るのよ」

「なしてよ?オレは何もきいでね」

長い時間を掛けての別れではありませんでした。
スタッフが車椅子を押し、美代さんを連れ出しました。
エントランスホールの天井から、藤の花が垂れ下がっているのを見つけた美代さんは、

きれんたなぁ、藤が?」(綺麗だなぁ)

「そうですよ、でも本物ではなくて作りものなんです」

このような会話をしながらエレベーターに乗り込んでいきました。
今生の別れになる訳ではないので涙は出ませんでしたが、美代さんの背中を見ると、本当にこれで良かったのかと、何だか可哀想になっている自分がいました。
でも、もう後には引けない訳で、この後は入所に当たっての説明や契約が待っていたので、気持を切り替え深呼吸。

施設長がお見えになりご挨拶。
その後は、ホームのケアマネ・看護師・管理栄養士から、こまごまとした説明を受け、最後に副施設長と契約の話に入りました。

談話室に入室したのは午前10時30分過ぎで、全ての説明・契約を終えたのは、午後1時を回っていました。

この後は古河市役所に走り、転出手続きです。

少し、疲れました。
朝食・昼食抜きで、これから晩ごはん。

この続きは明日にします。