2021.4.9(金)

タラレバの話をしてみようかな。

12年前に亡くなった夫が、未だ元気だった頃に話してくれたこと。
  • 定年になったら、延長せずに岩手に帰って畑仕事をしようと思っている。
  • 畑に大きめの小屋を建て、柵を作り犬を放し飼いにする。
  • 小屋の中では猫を飼い、自由にさせる。
犬や猫の数は5~6匹の予定だと言っていた。
この話をしていた時に、わが家には3匹の猫がいた。
ねこの日常に載せている、にゃんズの桐と青。
そして、桐が家族になる前に動物愛護団体から譲り受けたデン。

この3匹の世話だけでも大変なのに、更に犬を数匹飼うと言うのだ。
【言うは易く行うは難し】で、誰が世話をするの?
訊くと「俺がやる」と、言っていた。

デンはその後病気になり、虹の橋に召され、残ったのは桐と青。
「こいつらに仲間が増えるんだ。楽しいべ」と、言っていたけれど、そんな会話をしていた頃には、既に病魔に侵されていたのかもしれない。

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60歳で定年になり、余生は岩手で畑仕事をしながら暮らす。
夫とは5歳違いのあたしも、青写真では一緒に畑仕事をすることになっていたようだ。
ミミズや虫が苦手なあたしに、土いじりなどできるのだろうかと、真剣に悩んだりもしたが、そんな会話ができていた頃は平和だった様に思う。

夫が生きていタラ、今頃は岩手で暮らし沢山の犬猫に囲まれ、畑仕事に勤しんでいたことだろう。
夫が生きていタラ、アルツハイマー型認知症になった美代さんをここ古河に呼ぶこともなかっただろう。
夫が生きていタラ、もしかしたら美代さんは認知症にはならなかったかもしれない。いや、それは違うか。

夫が生きていレバ、あたしの人生は今とは全く違っていただろう。
夫が生きていレバ、当然のことながら婚活サイトに登録することもなかっただろう。
夫が生きていレバ、こうやってブログを記すこともなかっただろう。いや、それはわからないな。

タラレバ
人生はタラレバの繰り返しかも。
いくらでもやり直しは効くと言うけれど、死んだ者が生き返ることはない。
夫に、タラレバを口説いてみたところで、正体がないのだから言うだけ無駄ね。
だとしたら、あたし自身の問題かもね。

平均寿命で言えば、これから先20数年の生がある。
この12年は「あっ」と言う間に過ぎた感があるけれど、このままだとこの先の20数年も、それこそ「あっ」と言う間に過ぎて行くのだろうね。

人生は一度限り。
この先も、タラレバを言うことがあるだろうね。
そう、あの時こうしていタラ・・・こうなレバ・・・なんて。

自分の人生をしっかりと見極めて、なるべくならタラレバのない今後で在りたいと思う。

でも、言うときがあっタラ・・・「ごめんね」