2021.3.24(水)Ⅱ

実家を売る話を長女にしてみた。

「500~600万くらいにはなるかもよ」

「売ったら、あたしはどこに住むのよ。たかだかそんなお金が残っても、これからの人生ではあっと言う間に無くなるじゃない」

この家は、母が亡くなったらあたし名義になる。
あたしの自由にしても良いはずだが、住んでいるのは長女。

「半分は母のお金になるよ」

「え~っ。じゃぁ、余計に売りたくないわ」


押し入れの中の、うんざりする量の寝具類。
それ以外にも、冠婚葬祭で頂いた物がぎゅうぎゅうに積み込まれている。
物置小屋には、捨てられない食器やボロ布団が。
全部に思い入れがあるのだろうけれど、使わなければただの物。

次女夫婦が実家に住んでくれると言うので、LDK・トイレを改築。
元あたしの部屋だった2階の部屋も、畳を取り除きフローリング張替えをし、押し入れの襖も無しにして、お洒落なロールカーテンを取り付け次女夫婦の部屋とした。

あれから5年で、次女夫婦は自分たちの家を建て、実家を出た。
孫のハヤブサくんは幼心にも、しっかりと家の位置づけをしている。

「ボクの家は新しい家。ここはユカちゃんの家」


昨日の朝、保育園に行く際にバイバイをするために寄ってくれた。

「あーちゃんは、あーちゃんの家に帰るんだね」

DSCPDC_0001_BURST20210323184831227_COVER-2

実家は母名義だが既に住んではいないし、跡取りのあたしも出ている。
一人になったことで、寂しさを感じないかとユカに訊いてみたが、静かだとは感じるが思ったほど寂しくはないと言っていた。
結婚する気もないようで、この先どうするのかと訊くと、

「助け合って生きて行こう」

母娘と言えども、それぞれの人生がある。
あたしは母美代さんが嫌いで、実家を離れられたことが嬉しくてしょうがなかったが、認知症となり結局は元に戻った形。

近々、特養入居になる予定の美代さんだが、実家で過ごした数日間で頭の中は・・・本当に加須市でいいのだろうか。岩手の、実家近くの特養の方がいいのではないか・・・そんな考えが浮かんでいた。

が、そうなるとあたしは古河を離れ実家に戻ることになる。
家事が苦手な長女の世話をする生活になること、間違いなしになる。
東北道を降り、見慣れた風景になり、古河の街が見え始めたときに思った。

「あ~、あたしはこの街が好きだヮ・・・」

DSC_1149


「やりたいことはやった。この世に未練はない」

亡くなる前に、こんなことを言っていた夫。

自分らしく生きるためには・・・これからの人生を考えなければ。