昨日、晩ご飯を食べ終わる辺りに、叔母のヨッコさんから着信。
TVを観て、茨城県の地震が震度5とあったので、心配で掛けたとのこと。

震源は茨城県北部・水戸の方ね。
住んでいる古河市は西南部で、車で5~10分も走ればお隣の埼玉と栃木。
古河駅は、JR宇都宮線で茨城県で唯一停まる駅ですが、大宮駅までは40分くらいかな。なので、TVで関東の天気予報を観るときは、さいたまを参考にします。
ヨッコさんは、茨城県=水戸の感覚だったのでしょう。

あ、話がズレました、失礼。
地震の揺れは大きかったけれど、幸い被害などは全くなく、話はコロナへと。
緊急事態宣言の頃は、実家のある岩手県はずっと感染者0人でしたが、最近は毎日感染者が出ているようです。
電話から、ヨッコさんの声が聞こえたきたのですが、

「こごには出でいないども、隣町に出だようだ」

コロナのことは連日TVで放送されていますが、美代さんは未だにはっきりとは解っていません。

「コロナて・・・おらほさもあるのが?」(わたしのほうにも)

これを受けヨッコさんは「いまは、日本中にあるんだよ」と、しっかりと説明していました。
そして、肺炎などの既往症がある人は、一層気をつけないと重症化するということも教えていました。

美代さんは、昨年の夏に肺炎で入院しています。
短気記憶がなくなり、今日一日のことも忘れてしまう状態ですが、入院したことは憶えています。

「オレも入院したども、医者がらは軽い方だど言われでいだ。そう言えばミッコも肺炎さかがったよな?」

すぐ下の妹・ミッコさんも、肺炎で入院しています。
そのことを良く憶えていたと感心していますが、ミッコさんの入院は、美代さんが今ほどの記憶が無くなる前のことなので、頭の片隅に残っていたのかもしれません。

その後は畑仕事や初雪のことなどと、会話が弾んでいました。
美代さんが認知症だと知らない人が聞いていたら、極自然な会話と受け止めるのではないか。それほどスムーズな会話が続きました。
ひとしきり話し「そろそろ切るよ。じゃぁな」で、会話が終了。

肺炎で入院し、医者からは軽い方だと言われた。
よく憶えているなと、思われるかもしれませんが、この記憶は、あたしが刷り込んだものです。
医者から言われた当時の病状については、これまでに何度もなんども、耳だこになるんじゃない?と思われるほど言い聞かせています。
そして、美代さんの携帯の待ち受け画面は、病室でひ孫のハヤブサくんと写したものにしています。
これらを併せて、美代さんの記憶は現在に至っている。そんな風に想うのです。

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とてもスムーズな会話が終わり、さて入歯を外して口濯ぎだよと。
ここで、現実が待ち構えていました。
外した入歯は、案の定どれに入れて良いのかが判らず、うがい受けに入れようと。
「違うよ、入歯ケースに入れて」と言っても、目の前に有っても判断できない。

あたし、ようやく解りました。
新しいことは憶えられないと言いますが、美代さんの場合は、その増えたうがい受けの存在が大きすぎて入歯ケースの存在が薄れた、そんな感じです。

入歯を外さずにうがいをし、食べカスの入ったうがい受けに入歯を入れたこともあります。(ちょっと目を離した隙に)
どうせ覚えられないのなら、もう、入歯ケースは無しにしましょう。
食べカスだらけのうがい受けに、入歯を入れてしまいましょう。
洗うのはあたしですから、あたしがきれいに洗えば済むことですから。

「美代さんさぁ、ヨッコさんとのお喋りはすぐに返事ができるのに、なんで入歯ケースが判らないのよ?」

「したってな、はだげしごどどがは、オレもやってきたがらわがるのだ」

畑仕事などは自分もしてきたから解かる。
そうですか。
でも、入歯ケースもずっと使ってきたよね。

うがい受けに入れればいいって、憶えちゃったか~。