初めての3泊4日のショートステイから帰って来た美代さん。
車から降り、玄関の中に入るまでが、まぁ長い長い。
足が動かず、一歩が踏み出せずに出てくる言葉はいつもの「おっかね」

美代さんは人に身体を預けられない性質なので、支えてくれる人を信用してくれない。
それはあたしにも同じで、しっかり支えているのに「あぶね」(危ない)と騒ぎたて、周囲の人から怪しげに観られることが多々あるのです。
昨日も同じ状態で、ショートステイ相談員さんの手を煩わせてしまいました(苦笑)

あたしの静かな3泊4日も終わり、いつもの日常が戻ってきました。
考えて行動することができない美代さんに「ああして・こうして」と、いちいち指図しなければならない、目が離せない生活です。

「ねぇ、どうだった?いつもの人達と一緒じゃなくてイヤじゃなかった?」

「あ?べづに・・・普通だった」

連絡ノートには、膝の痛みを訴えたために車椅子を使用したとありました。
施設は広いので、歩く範囲も多く疲れたのかもしれません。

1日目の夜、おねしょをしてしまったようでした。
いやいや、おねしょは毎回ですが、施設で用意していたリハパンと尿とりパッドでは用が足りなかったということが正解ですね。

一人で脱ぎ着ができない者は、着たきりスズメのままで過ごさせると言われていましたが、美代さんもその通りで、一応持って行ったパジャマでしたが使用しなかったようです。

汚れたズボンは替えのズボンで賄えましたが、その後の3日間は昼夜同じものを着っぱなしなので、ある意味入院生活と同じ・・・?と、思いましたけれど。

国が定めた施設での暮らしでは、入浴は週に最低2日なのだそうです。
失禁したことで、美代さんは1日多く入浴できたらしいのですが、怪我の功名?になるのかもですね。

昼過ぎ、
仏壇のあたしの夫の写真を観て「これは誰だ?」と訊いてきました。
毎回のことながらうんざりです。
ですが、今日は「あたしの夫だよ」と。
美代さんは、

「子どももつぐらねで死んでしまったのが・・・可哀想に・・・」

あ~ララ、ユカとサキの存在が飛んでしまっています。
娘たちの父親だと、認識できなかったようです。
もう、思い出すことはないのでしょうね。
ま、いいんですけれどね。

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午睡に入りましたが、起きる頃には真っ暗になっていることでしょう。
朝だと思うのか、それとも夜と思うのか。
まさか、明日の朝まで寝てる・・・?
それはないかぁ~。

日々子ども帰りの母親の世話。
いつもの日常が戻り、果たしてあたしは優しくなれるのでしょうか。