母美代さんには、定期的に出てくる言葉があります。

「なぁ、今日車でどごさが行ぐのが?オレのごど家さ乗せでってけねが?」

・・・あぁ~、出た出たまたいつものやつだ・・・
「家って、どこのことを言うの?」


「あ?そが・・・ナガゼギでねくて~、ユカどサキの居る家だ」

「いいけど、7時間かかるよ」

家の周りを確認したいのだと、そして孫・ひ孫の顔が観たいのだと。
何よりも、ここに居るのが寂しいのだそうな。

7時間かかると聞いても「そったにかがるのが・・・」で、
「なら行かない」とはならないのです。
お盆帰省のことは、すっかりと飛んでいましたし、岩手の家がご近所にある感覚のようです。

どうしても行きたいのなら連れて行くけど、着くのは夜だから真っ暗で家の周りなど観えないよ。
それに、明日になったら仕事で皆いなくなるよ、あなた一人でどうするの?
あたしはとんぼ返りするから、あなたの面倒は看られないよ。

ここまで話しても「ひとりでできるもん」の美代さんは、ご飯と漬物さえあれば、テレビの点け方を教えてくれれば大丈夫だ、と。

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助け舟として、次女のサキにラインTEL。
遠まわしに、来られても困る・・・と、言ってもらいました。
だって、その通りだから。
同じことの説明で、何とか納得?してくれたようで「わがった、こごさいる」で決着でしたが、デイのない日は毎回この話が繰り返されるのです。

「ねぇ、施設には入れられないの?」

サキのこの問にあたしは「介護度が3にならないと、特養には入れないから」
美代さんの介護度は限りなく2に近い1だと思っていいますが、ケアマネの話では、もしかしたら3に近いかも、と。

家に居てもつまらないのでしょうね。
だったらいっその事、施設に入った方が周りの皆さんと過ごせて楽しいのではないのか。と、思っていましたが、これもケアマネの話として

「施設に入っても、部屋から出る訳ではないから、寂しいのは変わらないと思いますよ」

ふー・・・です。
ショートスティの減額申請をしていますが、まだ返事は来ておらず。
でも、ショートスティに預けても、やはり部屋から出ることはないとも言われています。

結局、デイのない日の火・金・日は家で悶々と過ごすしかない。
美代さんはそれを受け入れられずに、出てくる言葉は「家に(岩手)に帰りたい」

車で10分ほどの所にあったら、いいのにねぇ・・・。

※この話は、桐ちゃんを動物病院へ連れて行く前の話です。