先月、母担当のケアマネが、認知症についての本を貸してくれると言っていた。
あたしも一応は持っているが、介護の専門家が読んでいる本は、どの様なものかと興味もあったので、お願いしますと。

先日、お盆帰省で借りていた車椅子の返却をした際に、持ってきたくださった。
それがこの3冊。

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かなり古い本だ。
認知症ではなく、痴呆とある。
それでも、内容はあたしが持っている本と大差ない。
認知症は日々進行しているのに、解ってきていることは、さほど増えている訳ではないようだ。

本の返却日を伺うと「いつまででもどうぞ」と言われた。
でも、持っている本で事が足りているので、次回お会いする際にお返ししようと思っている。

認知症老人の行動には、全てに理由がある。
それらを否定してはならない。

美代さんは総入れ歯。
下は、尿とりパッドとリハビリパンツ。

リハパンを干しておくのは、洗濯物と同じ感覚で濡れた物は乾かしおけば良いの考え。
ならば、尿とりパッドを半分にちょん切った理由は?
お股に違和感があり、重く感じたから。
そして、残りの半分は後で又使えると思ったと。

食事後に、入歯洗浄をするために外す。
外した入歯を洗い、その後に上の歯は入れるが下の歯はケースに入れたままにすることが度々ある。
何故下の歯を入れないの?と、訊いても、

「何でだろな・・・わがらね」

答えにならない。
これの訳は何?単なる入れ忘れではないの?

日付や曜日を忘れるのは、生活に必要ではないから。
必要でないことは忘れても良い。
でも、気になる。
気になると何度でも訊いてくる。
でも、忘れる。そして、忘れたことを忘れ、初めて聞いた!と、なる。

これに付き合うには根気が要る。
2~3度は付き合うが、それ以上になるともうメンドクサイが先立ち、適当に答えてしまう。
最近は、あたしの夫のことが気になるらしく、日に何度も訊いてくる。
あたしは、悪い答え方をした。

「ねぇ、もういいから。あなたには関係のない人だから、この人のことは忘れて」

あたしの夫で、むすめ達の父親であることを何度も教えてきた。
でも、何度も忘れる。
いい加減あたしも疲れてきた。
夫は、この先の美代さんの暮らしには関係がない。
ならばもう、教える必要もない!
それがあたしの下した判断。

美代さんは、自分の年齢を忘れた。
そして、事あるごとに「親父・あっぱ」と言っていたのに、この頃は話に出ることがない。
必要が無くなってきたのかな・・・。

昨日の午睡だけど、2時過ぎに「お腹が空いた」と言い、起きてきた。
晩ごはんの時間を5時と改めたので、胃もたれしない程度にと、レトルトの玉子がゆと、お吸い物を用意。

お粥と聞いて文句を言っていたけれど、味噌大根の刻みを加えたので、少しだけ味が変わり「美味しい」と言っていた。
そして、5時過ぎの夕食も完食。
食が細くなったと感じていたけれど、あまり気にすることはないみたい。

やっぱり、自分にとって一番大事な「食べること」は、忘れないようだね。