お盆帰省を決めている。
実家岩手から、娘たちが迎えに来てくれることになっている。

普段、車椅子を使うことはない。
大家さんのご厚意で、トイレ・玄関までの美代さんの動線には、手すりをつけてもらっている。
手すりのない所は、壁伝いや家具に掴まり歩いている。

美代さんは、変形性膝関節症。
膝や腰に痛みがあるとは言うが、歩けなくなったのはそのことだけが原因ではないだろう。
認知症となり、歩くことが億劫になり、さらには怖いと言う。
転倒することを恐れている。
日頃から「死にたい」を連発するくせに、転んで怪我をしたり果ては死ぬのが怖いという。

生来の臆病な性格で、自転車に乗った際も片足を地面につけて立ことができずに、信号待ちの際などは必ず降りてしまう。
平衡感覚が乏しいのだろうか・・・

室内でも、何も摑まるところがない場所では、綱渡りの奴さん状態で左右に揺られ、ふらついてしまう。
室内用の杖を使わせるが、杖を持ちながら壁を触ろうとする。
杖は宙に浮き、意味をなさない。そして、置きっぱなしで忘れてしまう。

今回のお盆帰省は昨年末以来になる。
昨年末には、長女のユカから宇都宮まで迎えに来てもらい新幹線で帰省。
その時は、辛うじて歩行車を使えていた。

2月に、この家に引越しを決めた際に歩行車は返却していたが、今回の帰省では歩行車でさえも無理と判断し、ケアマネの会社の介護用品部門から車椅子をを借りることにした。

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高速道のPA・SAでのトイレタイムに使用。
折りたたみ式で自走できるタイプではないので、車輪がかなり小さい。
デコボコ道では揺れるかもしれないと言われたが、重量がハンパなく軽く、あたしの軽自動車にも無理なく載せることができたので、迎えに来てくれるエスティマには楽勝で載せられる。

レンタル料は、一割負担でひと月400円。
1ヶ月単位でのレンタルになるので、今回は8月のみなので400円で済む。
年末帰省するかは思案中だが、仮に帰省することになったら、その時にまたレンタルをお願いすることにした。

PS
ケアマネの名前は何となく憶えていた美代さんは、顔を観て「どなたですか?」
もう、3ヶ月ほど顔を合わせていない。
忘れて当然と言われた。
そして、めっきり歩けなくなった美代さんを観て、

「かなり進行しましたね。介護度も2・・・3になっているかもしれませんね」

この後、
1の認定を受けているのだから、1であれば利用料金も安くて済むのだから、2にする必要はありません。介護度は、どれだけ手が掛かるかと認知機能で決まります。もう少し様子を観ましょうと。

お二人が帰った後、室内に置いてある車椅子を観た美代さんは、

「これは何だ?」

「車椅子だよ。さっき外で乗ってみたでしょ、乗り心地が良いって言ってたよね」

「ん~、そだけが。忘れだ」

帰省するまでに、何度か乗ってもらった方が善いのかも・・・。