今更ですが、忘れていくということが、解りかけてきました。

赤ちゃんは、食べて(ミルクを飲んで)寝て、出す。
ここから少しずつ成長していく。

認知症老人はその逆を辿る。
自分にとり、特に大事ではないことから忘れていく。
最近、そんな風に想えてきました。

美代さんは、自分の誕生日を一度で言えなくなりました。
昭和8年〇月・・・この後の日にちで迷います。
もう一度言うように促すと、何とか最後まで言うことができる。
そんな状態です。
何とか言えた誕生日。
じゃ、歳は?何歳ですか?
すんなりとは出てこず、少し考えて「85か・・・6だ」
美代さんは87歳ですが、自分の年は85か86でストップしたようです。

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認知症との診断を受けたのは、2017年9月。
それ以前から、少し❔の症状はありましたが年齢的な物なのだと、深くは考えておらず、いよいよもって「これはおかしい!」という行動があり、古河に引き取り診断を受けたという経緯。

85歳は一昨年。
杖歩行でしたが、しっかり歩けていましたし、図書館から借りてきた本にも自ら目を通し、内容も理解できていました。

86歳の昨年。
同じく杖歩行ですが、足取りはゆっくりで歩くことを怖いと言い出してきました。
本を借りようかと訊いても、面倒だから読まないと言い、何かに対する意欲の様なものがなくなっていました。

今年の3月に引越し、それまでは住んでいた集合住宅の長い通路を、仕方なしでも歩くという行為があったのが、今は全くなくなり更に赤ちゃんの様に伝い歩きに。
デイケ・デイサの送迎者は、玄関ドアの真横につけるので、ほんの数歩で車に乗り込めるのに、それさえも怖がります。

認知症予防にはウォーキングも効果があると、以前NHKの特集でもありましたが、歩くという行為の大切さをしみじみと実感しています。

定期検診の際、美代さんの主治医は毎回同じことを言います。
「しっかり運動してくださいね。そして野菜を食べてくださいね」
美代さんの運動は歩くことですが、それをを怖がり歩かない。
野菜は、入歯で噛む力が弱まり、刻みでも残すことや、味をすすり結局吐き出す。こんなことが増えています。

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今の美代さんは、食べること・寝ること・出すこと。
これは忘れません。
基本的営みと言うのでしょうか。

「今これをやらないと忘れるから、先ずこれをやって」
返事はいつものように「わがった」が、やらない。
「これはね、命令している訳じゃなくて、お願いなの!あなたにお願いしているのよ」
「うんうん、わがってら。だども忘れる」

憶えていられないそうです。
毎日繰り返していることでも、憶えていられない。
それでも、基本の営みは忘れることはない。

そう言えば昨日。
朝食兼昼食を摂り、3時頃でしたか、

「なぁ、オレ・・・朝ご飯食べだっけが?」

「朝と昼を兼ねて食べたでしょ」

「そだっけが・・・」

食べることは大事なことだから忘れないが、食べたことは過ぎたこと。
過ぎたことは忘れる。
こういうことが増えてきました。


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