わが家だけで使っていた、ことわざ?だったのか定かではありませんが。

こどもの頃から、今やろうとしたことを直ぐに忘れてしまうことを、
鶏は、3歩あるくと忘れる・・・と、言った表現をされてきました。

母美代さんは酉年。
一回り下の2番目の妹ヨッコさんも酉年。

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二人の会話には「お互い酉年だからすぐに忘れるなぁ」というフレーズが出てくるのですが、
認知症の美代さんはともかく、ヨッコさんは今の所はクリア。
一緒にされてどうなの?
と、思いながら耳はダンボになっています(苦笑)

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ここ1年の美代さんの話には「親父」という単語が、やたらと多く出てくるようになりました。
昨夜もです。
美代さんの食事スタイルは、とにかく頬張る。
まるで🐹ハムスターなみ。

「そんなに口いっぱいにしなくても、ご飯は逃げないし、急いで食べるようにも言ってないでしょ」

毎晩のことです。
あたしだったら耳ダコで嫌になるけど、美代さんは毎回忘れるので、
言われても苦にならない。
それどころか、言われたことに「そうだなぁ、ありがとや」などどいう始末。
言っているあたしの気持ちがダウンする。

親父によ~ぐ言われだものだ・・・」

明治生まれの美代さんの父・あたしの祖父だ。
生まれる前に亡くなっているし、写真もないので想像もつかないけれど。
とにかくちょくちょく出てくる。

親父はおっかね人で『ゆっくり食べでるな!さっさと食べで働げ』って何回も言われできた。だがらくじいっぱいになってしまう・・・」
(口いっぱいに)

ここ古河で一緒に暮らすようになるまで、祖父の話を聞いたことは記憶の中ではありません。
若い頃から貧乏で、自分たちの生活を成り立たせることに一生懸命だった母には、親のことを思い出す暇もなかったのでしょう。

認知症となり、昔の記憶が鮮明になり、とにかく「親父、親父」
あなたには母親はいなかったの?
と、言いたくなるくらい、お・や・じ!の連発。
父親の怖さは、亡くなって60年が過ぎても残っているようです。

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今朝、食後の薬を飲む際、「今日は何曜日だ?」と、訊いてきたので、
意地悪なあたしは「携帯見れば?」と。
持ち歩くから「携帯」置きっぱなしだったら固定電話と同じよね?
自室に取りに行ったかと思えば、そのままトイレへ。
その後は暫く部屋から出てこない。

「ねぇ、薬飲まないの?携帯はどうした?」

「あ、携帯取りに来たんだっけが・・・すっかり忘れでだじゃ」

酉年の美代さんは、まさに鶏さんを続行中のようです。


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