にゃんズの母(認知症と猫とわたし)

「老猫、桐ちゃん20歳(2023.7.14没)、青(せい)くん19歳。琴ちゃん4歳。黒ちゃん4歳。常くん3歳。連くん1歳」「わたし、お洒落大好き還暦過ぎたおんな」「母、91歳。認知症要介護5で、完全車椅子生活。地域密着型の特養に入所」 ねこ、お洒落、母の認知症と日々のあれこれについてを綴っています。 泣いて笑って、愚痴満載(苦笑) 今生は一度だけ、前向きに生きるためのブログです。

2021年04月

ひとつ屋根の下 親子3代で過ごす

2021.4.25(日)

日曜日はゆっくり起きたい・・・と、思っていても、それを、ねこ娘の桐ちゃんは許さない。お決まりの5時にはベッドに上りスリスリが始まる。
それでもあたしは抵抗し続け、ベッドの中で時間を過ごす。

階下に降りてきたのは6時で、にゃんズのトイレの掃除・血圧測定・鼻炎薬とサプリを飲んで一段落していると、扉がスーッと開き、声がかかった。

「おはよ」

「エッ?」

時刻は6時半。
驚いたのは起きた時刻ではなく、美代さんの姿。

昨夜、孫のユカにパジャマを着せてもらい眠りに就いているが、起きてきたときに着ていた服は、
上→パジャマの中にカットソー、その上に一旦脱いだであろうパジャマ、そしてコート。
下→パジャマの上にズボン、その上に下ズボン。


「なんでそんな恰好でいるの?」

「寒くてよ」

普段は一人では着替えられないのに、夜中の馬鹿力でしょうか、美代さんはたまに、おおよそ、それ違うでしょ!みたいな恰好になっていることがある。
起きたついでにリハパンとパッドの交換をし、着ていた服を脱がせ、電気毛布のスイッチを入れ二度寝させた。

DSC_1226

ユニット型の特養に入所すると、自分の部屋に入居することになるが、そこでも今朝のようなことをするのだろうね。
無意識とは言え、一人でできるもんは時に厄介。
スタッフさんには、要らない仕事が増えることになるだろう。
でも、それも費用に含まれているのだろうね。


コロナ禍の中で、一旦入所になると簡単に外出はできない。
美代さんにとっては、今日が自宅で過ごす最後の日。

朝食兼昼食を食べている美代さんだが、明日の今頃はホームの中で知らない人たちや知らないスタッフに囲まれていることになる。
まぁ、お得意の穏やかな性格で、皆様方に馴染んでいってもらいたい。


午後からはユカに手伝ってもらい、車への荷物の積み込み。
大物のタンスは、たとえプラスチック製でも一人ではキツイと思っていたので、ユカが来てくれたことに感謝だワ。

美代さんがユカと一緒に過ごす時間は、午後3時頃まで。
3日間は、あっという間に過ぎようとしている。


デイサービス最後の日を、穏やかに過ごした母

2021.4.24(土)

長女のユカが、岩手から美代さんに会いに来てくれています。

昨日の午後1時半過ぎに古河駅に着き、そのまま特養までドライブに行って来ました。
特養の周りの風景は事前に話していますが、少しずつ道幅が狭くなり田んぼが見えてくると、

「実家近辺に似ているね」

「そうなのよ、それが決め手で選んだからね」

建物が見える辺りは道幅も広くなってくるのですが、周りは田んぼがいっぱいで、本当にのどかな場所にあります。

「ばあちゃん、ここがこれからのばあちゃんの家になるんだよ」

「なしてよ?今の家さ住めねぐなるってが?」

特養入所のことは、もう何べんも教えていますが、毎回初めて聞いたことになっている美代さんは、可愛い孫に言われても、やはり理解できていませんでした。

帰宅後暫くしてから、今日行って来たところを憶えているか訊いてみまところ、どこにも行っていないと。
ユカと3人で出かけてきたことを言うと、

「ユカ?ユカとどごさ行ったっけ・・・?」

今の美代さんの記憶はこんな感じで、今日の出来事がパァっと飛んでしまいます。


今日は美代さんの88歳の誕生日で、デイサービス最後の日。
誕生日プレゼントを頂いてきました。

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       中身は買い物マイバッグ


ケアマネさんからラインが入り、デイサービスへ美代さんとお別れの挨拶をして来ということと、一緒に撮った写メも送信してくださいました。
美代さんはベッドで横になっていたらしく、その後ろから写真を撮ったようです。

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送迎スタッフのオジサンへも、お世話になったことへのご挨拶をすると、

「とても可愛いおばあちゃんで、沢山お喋りをしてくれましたよ」

家に帰り、今日デイで何をしてきたかと訊いても「?・・・忘れだ・・・」の様な返事をするのですが、デイではとても可愛がられていたようです。

田舎言葉まる出しで、言葉の壁に悩み、引っ越してきた当時は何が何でもデイに通所することを嫌がっていましたが、それでも慣れてくると心地よさを感じてくるのでしょね。

デイケア・デイサービスとお世話になり、歩くことがままならなくなり、リハビリ効果が期待できないと判断したあたしは、デイケアをやめさせ、その後はデイサービスのみの利用にしました。

ぬり絵や折り紙・物を作ることが苦手な美代さんでしたが、皆様方に優しくさていたようで、毎月作って来るくるカレンダーを、愛おしそうに眺めている姿が印象的でした。


今夜は孫のユカに、パッド交換とパジャマを着せてもらい、寝かせ付けてもらった美代さんですが、明日の朝には、たぶん忘れているのでしょうね。

あたしがもう少し頑張れたら・・・と、想うのですが、そのあたしに何かが起きたら、美代さんの暮らしは成り立たなくなります。


デイサービス施設長さんからの最後のお言葉。

「ご本人もご家族様にとっても、今後の生活がベストである選択だと思います。どうかご自愛下さい」


何歳になっても、孫・ひ孫は幼いまま・・・

2021.4.23(金)

昨日、次女から孫のハヤブサくんの動画が送られて来た。
ジャングルジムとは少し違うが、ほぼジャングルジムのような遊具で遊んでいる姿。

「ばあちゃんに見せて」


ハヤブサくんは、美代さんが82歳のときのひ孫で、約2年間同居していた。
古河に越して来てからも、盆正月・GWには帰省したいたので、ハヤブサくんの成長は観ていたが、手元にある写真は1歳9ヶ月のときの物で、美代さんの中では、いつまで経ってもその年齢のまま。

七五三の写真を見せても、それがハヤブサくんとは理解できず、何故か美代さんの妹・ミッコさんのひ孫になってしまう。

「ほら、ハヤブサくんだよ」

「ホウ、これがハヤブサが。こったに大きぐなったのが」

手渡されたスマホをジーっと見て、感慨にふけっている感じだった。


いつだったかな・・・。
自分がおんぶして子守りをした子が、居なくなったと騒いだことがあった。
その子の名前も出ずに、ただただ心配していた。
美代さんはハヤブサくんをおんぶしたことはないが、弟妹の子守りをしていた時代のことを思い出し、もしかしたら、ハヤブサくんに重ねていたのかもしれない。

先週の火曜日に、ハヤブサくんとビデオ通話している。
今年保育園の年長さんになったハヤブサくんは、ある意味美代さんよりもしっかりとしている。
話す相手により言葉を選び、美代さんとの会話が成り立たないことも察している。

「おばあちゃん、あーちゃんに代わって」

ハヤブサくんの話していることを理解できない美代さんとは会話が弾まず、ついついあたしと話したがる。
かと言って、あたしも全てを理解している訳ではないが、何となく合わせている。そんな感じだ。

「おめはハヤブサの言うごどわがるのが?オレはサッパリわがらね」

ただでさえ、83歳(美代さんは明日88歳になる)の年齢差があり、最近は昔の記憶が鮮明になっている美代さんには、5歳児の今どきの話の内容は理解できないのかもしれない。


特養に持っていく写真を揃えた。
30年前に撮った両親の写真と、ハヤブサくんとにゃんズの写真。

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入所後、あたしは美代さんの部屋には入室できないので、エントランスで、バイバイすることになる。
写真は、タンスの上に置くようにと、スタッフさんに、お願いするつもりでいる。

今日は、岩手から長女が来てくれることになっている。
特養入所になると、しばらくは会えないことになるので、顔見せに来てくれるのだ。
古河駅に着いたら、美代さんと3人で特養までドライブする予定。

美代さんは、ユカと会えることを心待ちにしながらも、コックリさん。
日曜日まで、可愛い初孫との、他愛もない会話を楽しんでほしいと思っている。


最後の抵抗劇?老いては子に従え・・・が、宜しいようで

2021.4.22(木)

今日、暑くなりそうな古河です。
でも、今の所は薄手の長袖カットソー。
日中、暑くなったら、半袖になろうかしら。


昨夜の美代さんは、これまでにない攻撃的な言葉を発してきた。
晩ご飯時に、おかずと味噌汁を先に食べてしまい、ご飯が2~3口お茶碗に残ってしまった。
美代さんの食べ方は、いっちょ食いが多い。
毎回、「あれもこれもと、まんべんなく食べてね」と、言うのだが、まぁ守ってはもらえない。

「そのご飯、残すの?」

「捨てるなよ!ラップするがら。茶碗も自分でかだづげるがら!」

誰も捨てるとは言っていないし、歩けないあなたが片付けをしてラップをすると言うの?そう、じゃ最後までやってみれば!
あたしは知らんふりで、一切手出しをしないと決めた。

テーブルからシンクまでの距離3メートルを、摺り足歩行であらゆるものにしがみつき、たどり着くまでかかった時間が5分。
やっとのことでシンクのボウルの中にお碗とお皿を入れたが、肝心の残したご飯のことはすっかり忘れてしまい、あたしに指摘された途端に、

「なーぬ、オレだってやれる。なーぬ、おめにやってもらわねくてもやれる!」

「そう、そこまで言うのならちゃんとラップ掛けてよ」

「おめ!なしてそったにオレさ辛ぐあだる?」

「はぁ~?自分でやる・できるって言ったのは、あなただよね!?辛く当たる?言いがかりでしょ!」

結局ラップを掛けたのはあたし。
あぁ~~~可愛くない!!

シンクまで来たのなら、そのまま入歯を外して自分で洗い、入歯ケースに入れ水を張り洗浄剤を入れるようにと。

が、これらを一度で聞き取れないのが今の美代さん。
解ったと返事をするが、入歯を外さずに口濯ぎをし終わりにしようと。
ここで、又もやあたしに注意され、

「なしてそったにオレのごど虐める?」

誰が虐めたって?イヤイヤ、知らない人が聞いていたら本気にするよ!
何だろうね~、この感覚は・・・。

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この後は、パジャマも一人で着れると言い出した。
そう。じゃ、一人で着ればいいじゃん!
で、あたしはチラ見しながら様子伺い。

美代さんは、パジャマをジーっと眺め、服の上から着ようとしていたが、何かが違うと思ったのだろうね、一旦置いた後に、今度はズボンの上から穿き始めた。

「美代さん、何やってるの?何でズボンを脱がずにパジャマを穿くの?」

「寒いがら、ズボン脱がねのだ」

いやぁ、咄嗟に出た言い訳だと想うが、これも認知症なりの考えなのだろうね。
自分でできる・やれるという思い込みは、正直迷惑。
今の状態ではパジャマもまともに着られないのだから、仮に、いくらかできるとしても「できない、やって頂戴」と言ってくれた方が、遥かに可愛げがある。

「あのさぁ、結局できないでしょ?なんでできなことを認めないの?」

できなことを認めたくない訳でもなく、その時は、できると思い込んでいることも、解っている。
でもね、あなた中心で動いているあたしにとっては、二度手間・三度手間になるのはいい迷惑なのよ。
ここまで言われ、仕方なしに着替えさせてくれたが、こんなことを特養でしていたら確実に嫌われるでしょ。

入居者様とは勿論だけど、スタッフさんからも可愛がってもらいたい。
穏やかと言われる美代さんだが、たま~に一人でできるもんが出、意地っ張りになってしまう。

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今朝は、当然の如く昨夜のことは一切憶えていなかった。
美代さんが言っていた「なーぬ、なーぬ」を再現すると、目が点になりまさかと言う顔に。
久し振りに観た、美代さんの抵抗劇だった。

【老いては子に従え】
あたしも、たまに素直になれないことがあるけれど、可愛いおばあちゃんで居た方が、みんなの為でもあるように思います。

それにしても、なぜいきなりあのような行動に出たのか・・・。
特養に入ることで、自分を良く見せようとする心理が働いたのかしら。



在宅ケアマネとのお別れ・・・ではない?

2021.421(水)Ⅱ

現在の在宅のケアマネが、ご挨拶に来て下さいました。

美代さんは今日はデイサで留守。
土曜日が最後のデイサですが、直接デイサへ行ってお別れをしてくださるとのこと、有難いですね。

午後1時半にお見えになり、お帰りは3時を回っていました。
この間、色いろなお喋りをしましたが、気になったことを二つ三つ。

美代さんの歩行は杖歩行だが、足が前に出ないので、もはや歩けないと言った方が早い。それでも、手引きでなら何とか歩ける。
摑まるものがあると、安心できるらしい。
この状態では、入所後にはすぐに車椅子になるだろうとのことだが、まぁね、それも致し方なしで、本人は無理に歩かなくて善いと、案外喜んだりして。
家で暮らしても進行は免れないが、施設に入るとそれが早くなることは確かで、それも納得している。


要介護5の若年性アルツハイマー型認知症の母親を、働きながら父親と介護している娘さんの話を聞いた。
昭和55年生まれだと言うから、あたしの長女ユカと同い年で、母親の介護をしていることになる。
独身で、働きながらの介護。
日中は父親だけになり、ヘルパーさんも依頼しているそうな。
施設に入れるお金がない訳ではなく、とにかく、家族で世話がしたいのだそう。

この話を、自分と比べることはできない。
介護は人それぞれで、10人居たら10人の。
100人居たら100人の介護がある。

この娘さんは、最後まで在宅介護をすると言っているそうな。


同じ敷地内に母屋とハナレがあり、母屋には娘夫婦が、ハナレには認知症の母親が住んでいるとか。
毎日母親の様子を観にハナレに行く娘だが、気の強い母親と喧嘩をして戻り、もう嫌!と、思っても、次の日には母親を気遣っている自分が居ると言っているそうな。

あたしも、「もう、あなたの面倒は看ないから!」こう言って部屋を出ることがあった。それでも次の日には、何もできない美代さんの面倒を看ていた。
同じだなぁ・・・と、思って聞いていた。

ケアマネは以前は介護施設で働いていたそうな。
何度も、な~ん度も同じことを話す利用者に、何度もな~ん度も頷いていたと。
オシッコでズッシリとしたリハパン交換や、たまにウンチが手についても洗えば済むことと、何とも思わなかったらしい。

「でも、もしそれが家族だったら、そうはいかないと想う。他人だから何も思わずに・・・仕事だから出来ていたのかもしれない」

そんな風にも言っていた。

どんな人が認知症になるんだろう?
この問いかけに、

「漠然とですが、何かをしてくれる家族がいると、自分ですることがなくなる。一人でなんでもしなければならない人は、なりにくいような・・・そして、会話が大事。女性はお喋りで発散することもあるので、友達を作りお喋りできる環境があるといいですね」

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特養に入所になると、現ケアマネとは切れることになるが、今回の出会いも何かの縁なので、これっきりではなく、ラインは繋げて置くので、いつでも連絡下さいと仰ってくださった。
お帰りの際に、玄関先で婚活の話をした。

「籍がどうのではなくて、一緒にお喋りしたり食事ができるできるパートナーがいることは素敵なことです。そういうお相手ができたら、是非教えてくださいね」

ケアマネは45歳。あたしは60歳。
15歳の年齢差があるけれど、介護を通じての会話から、日常会話に移行できたら楽しいだろうな。
社交辞令かもしれないが、今後は女友達としての付き合いもしてくださると。

人生100年時代。
まだまだ、楽しみはあるように思います。


プロフィール
こんにちは、にゃんズの母と申します。 2009年に夫を亡くし、現在は独身の長女と5にゃんズとの7人暮らし。 人生も残り三分の一となり、イマを精一杯生きている60代です。
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