にゃんズの母

「老猫。桐ちゃん17歳、青(せい)くん14歳」「あたし。お洒落大好き還暦」「母。87歳、方言と訛り×認知症要介護1」 ねこ、お洒落、母の認知症と日々のあれこれについてを綴っています。 泣いて笑って、ケンカして、人生一度きり。前向きに生きるためのブログ。

2020年08月

認知症の介護の先輩(大家)の話

今年の梅雨は長かった。
で、我が借家に変化があった。

母美代さんの部屋の壁は、元々が土壁。
その土壁の上からクロス張りにしている。

4~5日前に、壁の一部分が剥がれている箇所を見つけた。
それも結構な長さで。
剥がれているのは、ここだけ?
そう思いながら見回すと、なんと天井近くから床間際まで、あちらこちらが剥がれていた。

昨日、午前中に大家さんへTEL。
来週には岩手へ帰省予定なので、できればその前に直してほしいことを伝えた。
大家さんの動きは早く、午後には修理に来て下さった。

作業内容は、一見簡単そうに見えた。
剥がれたクロスに糊を塗り、刷毛で均一にしてローラーでコロコロと押さえつけていた。
その間、認知症についての世間話。

大家さんのお母様も認知症だったことは、以前に聞いていたが、もう少し突っ込んで訊いてみた。
在宅介護は6年ほどだったらしいが、仕事で傍にいられなことも多く、このままでは危険と想えることがあり、最終的には特養に入れたそうだ。そして認知症発症から10年近くで亡くなったと言っていた。

宅配のお弁当を頼んでいたらしいが、昼に届いたそのお弁当を開けられず、大家さんが帰宅した時には真っ暗な部屋で食事も摂らずにしょんぼりしていたと。
そうかと思えば、お弁当を電子レンジで温めようとしたらしく、時間設定を間違え、レンジの中でプラスチックは溶け、おかずの入っていたアルミ箔からは火花が飛び散り火事直前になることもあったと。

亡くなられた年齢を訊いてみた。77歳だったと。
ということは、発症は67歳くらいの時?
この年齢での発症は、若年性になるのかな・・・
若い頃は、活発で認知症になるなど思いもよらなかったと、そして、足腰が丈夫だったので徘徊も多く大変だったとも言っていた。

あたしは美代さんと仲が悪い。
幼い頃からの母娘関係が、尾を引いている。
大家さんはどうだったのだろう?

大家さんにはお兄様がいらっしゃるらしいが、介護については一切関わらず全てを大家さんがしていたらしい。親子関係は良好だったと。
もの忘れも頻繁になり、一人では何もできない状態になっていったが、それらは納得していたことで苦にはならず、幼子に返るような姿を可愛くさえ思っていたらしい。

・・・おとなだ・・・
と、思うも、そこはやはり親子関係の良好さがあるのだと、勝手に解釈した。

お母様は最終的には、どこまで進んだのかと訊くと、
亡くなる頃には、5になっていたとのこと。
特別な事情がない限り、特養には要介護3にならなけらば入所できないと、専門書には記されている。
とすると、大家さんは3になるまでの間、一人で介護していたことになる。
まぁ、あたしも一人だが、娘が母親の介護をするのと息子のとでは、色いろと面倒なこともあったのではないかと察するが、そこは大家さんの優しさが大きかったのだろう。

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因みに、大家さんの現在の年齢は40代後半。
30代の頃に発症されたお母様の為に、都内での仕事を退職したと以前に聞いていた。
介護は、家族の運命も変える。

大家さんの介護の経験で、この家には美代さんの為の手摺や、段差を無くす配慮もしてくださった。
あたしは、大家さんの爪の垢を煎じて飲んだ方が善いのかもしれない。

この先、介護度が進行していったら、あたしは美代さんに優しく接することができるのだろうか。
どんな風に変化していっても、結局はやるしかないのだろう。


深爪できないタイプの爪と、ハサミの行方

尿とりパッドを、ハサミでちょん切ってしまった美代さん。
今後も、こんなことをされては大変と、ハサミを台所に移しました。

昨日デイケからの帰宅後、部屋で何かを考えていた風の、美代さん。
台所の椅子に移り、あたしに問いかけてきた。

「なぁ、オレのハサミ。誰がが取ったよな?おめが?おめが取り上げだのが?!」

・・・誰か?この家にはあなたとあたしだけだよ。それに、取り上げた!?人聞きの悪い・・・
「そうだよ。でも取り上げたなんて言い方しないでよ。危ないから仕舞ったんだよ」


あたしが言ったことを何と思ったのか、美代さんはとんでもないことを言い出した。

「オレは、あのハサミで爪切ってら。だがら返してくれ」

・・・!!!・・・

ハサミで切っていた?爪を!
どんな想いからこんな言葉が出てくるの?

そんなことを言うのなら、ほら切って見なさいと美代さんに渡したところ、マジで親指の爪を切ろうとした。
いやいやいや、怖い怖い!!
やめて~!!!
指先を切りそうになったので、慌てて止めたけど、何?
本気で切るつもりだったの?

「美代さん、爪は爪切りで切っていたでしょ。ハサミで切っていたことなんて、ないよ!」

「ん?爪切り・・・オレは爪切りは持ってね」

はぁ~。
爪切りは、ベッド脇の棚に2個もある。
1個は実家から持ってきた美代さん愛用の爪切りで、もう1個は昨年夏の肺炎入院時に購入した、小ぶりの爪切り。

わたしたち母娘の爪は、深爪できないタイプで人から切ってもらことが恐怖を感じる爪なのです。

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写真は、分かりづらいかもしれませんが、ご理解ください。
(肉の部分より爪の白い部分が出ている)

こんな爪なので、美代さんも爪は自分で切ります。
誰かに切ってもらうなど、怖ろしくて頼めません。
1週間ほど前にも、自分で切っていましたが、それも忘れてしまったのでしょう。
足の爪は巻き爪で、以前一度だけ切ってあげたことがあるのですが、少し触ると「痛い!」と叫ぶので、あれ以来デイケ・デイサで切ってもらうようにしています。

な、訳でハサミは必要ないでしょと、納得させ、一応一件落着。
でも、この際なのでパッドを半分に切った理由をもう一度訊いてみたところ、答えは違っていた。
一昨日は「お股がごわつくから」だったのに、昨日は「勿体ないから」と。
一貫性がないのも認知症の言い訳のひとつ。
だって、自分が何を言ったのかも憶えていないもの。

※ 爪に関しては、長女も同じ形で、次女は父親似の深爪できるタイプ。
でも次女は言います。

「あんたたちの爪・・・怖い~。あたしはおとぅ似の爪で善かった」

PS
美代さんのハサミは、食卓テーブル脇の棚の、ペン立ての中に入れてある。
でも、美代さんはそれを認識できない。


尿とりパッドを切る・・・認知症なりの考え。

認知症なりの理由。

美代さんは、リハパン・尿とりパッドを使用。
昼は、220ccパッドを日に2個。
夜は、150ccの量を5回まで吸収できる夜間用。
昼の2回は少ないが、認知症になっても勿体ない精神は残っているので、漏れるまで取り替えようとはしない。

昨日、驚いたことがあった。
トイレから出てきた美代さんは、パンツを上げもせず、大量に含んだパットを手にし、汚物袋を持ってきてほしいと言ってきた。
汚れたパッドは部屋で交換しているので、ベッド脇まで歩くように言うと、手から漏れると言うのだ。
何故?近づいてみると昼用パッドの長さではなく、母が言うようにおしっこが滴り落ちそうなのだ。
慌てて袋に入れたのだが、わが家には上記の2種類のパッドしかないのに、何故にあんなにも短い・・・そして断面になっている?

よーく訊いてみると、「お股に入れると長くてごわつくから半分に切った」
と、言うのです。
あちゃ~😵
漏れるはず、漏れない訳がない!

尿とりパッドを使い始めて何年になる?
次女が結婚した時には使っていたから、5年にはなるね。
ここにきて、長くてごわつくから切った。という考えは、認知症の進行に他ならない・・・と、思う。

夜間用も、使い方を忘れたりこれは何だ?と、訊かれたりすることが増えた。
なぜ必要なのか。
尿とりパッドが無ければ、おしっこが駄々洩れする。
これが無ければ、あなたは生活できないでしょ!
ここまで言われ、一応納得はしているようだけれど、お股に邪魔になるから切る。
これって、必要性を理解できなくなってきていることなんだろうね。

これからは、こんなことが増えていくんだろう。

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取り敢えずやること。
美代さんのベッド脇に置いてあるハサミを仕舞った。
台所にもあるが、そこまで行って切る・・・とまでの、考えにはならないのではないか。
それに、歩いているうちに忘れるような気もするし。

便を壁に擦り付ける。
これにも訳があると、専門書には記されている。

尿とりパッドを切ったのは、お股に邪魔になるから。
これが、アルツハイマー型認知症、要介護1の美代さんの考え方。

そして、あたしのシワとため息が増える。
(この進行に、泣いてしまいました)


食べ物の好き嫌いは、克服できるの?

食べ物の好き嫌い。

あたしにもある。
どうしても、これだけはダメ!
と、いうのが肉の脂身。
そして、鶏のから揚げ。
でも、脂身は、塊でなければ食べられる。
唐揚げは、鳥臭さがなければ食べられる。

あたしが作る唐揚げには、沢山の調味料が入る。
(料理酒・醤油・ニンニク・ショウガ・塩・コショウ・キムチの汁
だしの素・ラー油・ごま油)
これらを染み込ませるために、1~2時間冷蔵庫で寝かす。
全て、鳥臭さを取るため。

もう一つ、どうしてもダメなもの。
それは、牡蠣。
元々は好きだった。
生牡蠣も好きで、酢の物などにして食べていたが、
もう・・・20年近く前になるか。
家族皆で牡蠣を入れた鍋を食べた。
で、大当たりした。
あたし、だけ!が、当たったのだ。
あれ以来、牡蠣は食べられなくなった。

生でなければ、カキフライなら・・・と、思うも、
あの時の辛さを思い出すと、どうしても食べられない。

苦手な野菜もあった。
子どもか!と、言われそうだが、人参が苦手だった。
あの、独特の青臭さ・・・というか・・・
とにかくダメで、カレーに入れる際は千切りやみじん切りにしていた。

でも、人参は克服できた。
いつから・・・夫が亡くなってからだ。

夫は、食べ物に好き嫌いはなかった。
見事に、何でも食べてくれた。
たまに、味付けや調理法に文句を言われることもあったが、
嫌いで食べない!ということはなかった。

夫が亡くなり、限りある人生を知り自分の食生活を見直してみた。
そして、好き嫌いをなくすと決めた。

亡き父も、好き嫌いが無かった。
糖尿病の気があり、カロリーを考えながらの食事ではあったが、何でも食べてくれていた。

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美代さんとの暮らしとなり、食生活はとにかく面倒くさい。
今日は食べられたが、明日にはどうなるか判らないと言われる。
例えば、キャベツの酢漬けは食べられるのに、キャベツの炒め物は硬いと言われる。
あたしはこの人のお抱え料理番か・・・。
食材は、入歯で噛む力が弱く、好き嫌いが多いため、食べられる物だけを選んでしまう。

高齢者向けの宅配サービスがあるらしい。
ケアマネさんに相談してみようか・・・。

いつかの記憶は、昨日の記憶・・・?

「オレがら取り上げるのが?!」

美代さんの化粧品の一つに、日焼け止め兼薄くファンデーションがつくタイプの、BBクリームがあった。
デイケ・デイサへ通うようになり、入浴中に取れてしまうことと、朝の慌ただしさから、塗ることをやめてしまった。
それでも、日焼けすることを嫌がり、2年くらい前からだっただろうか。
ならばと使い始めたのが、日焼け止めジェル

暫くはそのジェルを毎朝塗っていた。
もちろん、デイへ行く日の朝もだ。
そして、利用者さんの中には入浴後にお化粧しを直している方も居るということで、自分もつけると言い出し持って行く日もあった。
が、せっかく持って行っても、つけずに過ごしたとも言っていた。
なぜなら、時間に追われての入浴と着替えで、顔に塗っている時間などなかったと。

この借家に越してきてからの美代さんの認知度は一気に進行したように感じている。
2年間使っていたジェルを観て「これは何だ?」と、訊いて来たり「どの様に使うのか」とも訊かれた。
ずっと使って居たことと、使い方を教えても「憶えていない」と言われていたが、最近また使い始めるようになった。
そして今朝、

「一緒に風呂さ入るおばさ、風呂上りに綺麗に化粧してる。オレもこれ持ってぐ」(おばあさん)

そう言い、バッグの中に入れていた。
あたしは思い出した。
以前にも何度か持って行き、結局は使わずじまいだったことを。

「あなた、持って行っても使わないんだから要らないでしょ!」

バッグから出してしまった。
そして言われた言葉が、冒頭の「取り上げるのか?」だ。
この言葉に、あたしは「ハッ」とした。

・・・まずい・・・

この後「わかった、持って行っていいよ」と、バッグの中に入れてやった。
それを観ていた美代さんの顔は、一瞬で微笑みに変わった。

認知症患者は、怒られた理由は忘れても怒られた記憶だけが残る。
専門書には、このように記されている。

一緒に入るおばあさん・・・自分だって結構なおばあさんではないか!
棚上げしているように想う。
それに、そのおばあさんのことって、もしかしたら以前に話していたおばあさんのことじゃないの?
「ふと」思い出したんじゃないの?
とは、さすがに言わなかったけれど、最近の美代さんの記憶は時に数分も保たない。
いつかのことを急に思い出したのだろう。

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さて、持って行ったジェルは使ったのだろうか?
帰ったら訊いてみよう・・・いや、それも間違いね。
今日、どこに行ったかも忘れるのだから、デイでのことなど憶えちゃいない。

あたしが思うことは、全てクリアな人の考え。
美代さんには通用しない。
そして、疲れる。

認知症の介護をなさっている方と、生の会話がしてみたい。
あたしの介護は、通用しているのだろうか・・・。


プロフィール
こんにちは、にゃんズの母と申します。 2001年、念願の実家脱出に成功。 2009年、最愛?の夫と死別。 以後、気ままな一人暮らし。 2017年、軽度認知症の母との生活が始まり、 介護と思しきバトルの日々でございます。 動物大好き、特に猫。 酒とお洒落を愛する、普通?の「おんな」でございます。
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