今日も朝から、ゆく夏を惜しむかのようなセミの声。

水曜日のデイケアでの昼食は、カレーうどんとありました。
美代さんはカレーが嫌い。併せてうどんも苦手。
麺類は好きなのですが、うどんは太いので「硬い」という印象が強く、なるべくなら食べたくない。
その美代さんに、ちゃんと食べられたかを訊いてみると、
「うどんは食べだ、食べねば腹すぐがらな」

「へぇ~、珍しい。良く食べたね。硬くなかったの?」

「かだぐはながったども、汁はのごした。飲めねがった」

まぁ仕方ないですね。
どちらかと言うと、嫌いな食材が合わせて出てきたのですから、うどんが食べられただけでも美代さんにすれば良い意味で大事(おおごと)なのです。

美代さんは総入れ歯です。
美味しいと感じるものは、軟らかい物。
老人あるあるでしょうか・・・。
家でうどんを煮る際は、かなりの時間を掛けてクタクタにしますが、それでもうどんは硬いのイメージでなかなか箸をつけてくれません。

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そして、カレー。
カレーはたぶん軟らかい・・・いや、100%軟らかい!
それなのに食べてくれない。
カレーの何が気に入らないのか?
単刀直入に「匂い」だと。
今やカレーは国民食とも言えるそうです。
大人も子供もカレー大好き・・・な、はずなのに。

美代さんの嗅覚は、この1年でかなり鈍くなっています。
ベランダ栽培の「大葉」を料理に使っているのですが、「匂いがしないので、食べても意味がない」(敢えて標準語)と、拒絶することがあります。

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脱いだリハパンやパッドを入れておく、臭いが軽減できる袋を使用しています。

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この袋がある事を知らずに、赤ちゃんのおむつ袋で対応できると思ったのですが、大人のアンモニア臭は比較にならないと、薬剤師さんから探して頂きました。

臭いが軽減されると謳ってはいますが、大人のアンモニア臭はまぁ強烈。
鼻がもぎ取られてしまうんじゃない!と思えるほどの臭い。
なのですが、美代さんにはそれが臭わないと言うのです。

大葉の匂い、アンモニアの臭い。
それらが判らないのであれば、カレーの匂いも判らないはず。
なのに、匂いが嫌いだから食べない。
解らないことだらけ。

子供の頃、食卓にカレーが並んだ日もありましたが、美代さんの記憶には残っていないようです。
昔のことは憶えているはずなのに、料理が苦手だったので、それも仕方のないことですかね・・・。

美代さんの好き嫌いは、今に始まったことではありませんが、嫌いな理由が匂い(臭い)だったと。
嗅覚が無くなっても、匂い(臭い)のせいにする。

本当の理由は・・・判らずじまい・・・ですね。


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