母の携帯は、らくらくホン(通話のみ)
かけたいと思っても、その日その時間帯で掛け方が違ってきます。

① 「携帯のかけ方を忘れた、教えてくれ」と、訊いて来る。
② 何気に触っていて偶然に掛けられる。
⓷ そしてちゃんとかけ方が解っている。
と、まぁこんな具合です。

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昨日の美代さんは、午前中から電話魔。
朝9時半過ぎに、大阪に居るあたしの妹へ。
「あ、いだがちょすてらったらかげささった。そっちも暑いのが?~~~」(いたか、触っていたら繋がった)

二言三言の会話で終わったようでした。何故って、前日の水曜日も話していたので、特に話す内容もなかったようですが、それでも掛けたいのは、誰かと話がしたいから。

その後小一時間ほどで、次の相手は甥のYさん。
Yさんへは自力で掛けたようでした。
「あるげなぐなったがら、帰らながった・・・」

お盆帰省のことを訊かれたようですが、帰省しなかった理由は歩けなくなったから・・・。
まぁ、大差ないですが、本来の理由は肺炎で体力が衰え、ドクターストップがかかった。なのですが、肺炎の「はの字」も出ませんでした。

この甥のYさんは3~4年ほど前に、肺がんに侵され入退院を繰り返しています。最初の入院の際、母と連れ立ってお見舞いに行っています。
病院で、彼の顔を観た母は、思わず泣いてしまい、
「可哀想に・・・Yよぉ。代われるものだら代わりて・・・」
と、こんなことがありましたが。

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YさんからYさんの母に替わり、話は延々と1時間強。
Yさんの母は、美代さんの1歳上で長兄の嫁。
現在存命中の唯一の兄嫁です。

お互いの近況や、昔話に花が咲いているような会話が続き、
「は?Yが肺がんだってが?初めで聞いだ・・・がんだってが?・・・なしてがんなんどになったってよぉ・・・」(どうしてがんなどになってしまったのよ)

電話の向こうからこれまでの経緯などを話していたようでしたが、美代さんは、何度も初めて聞いを繰り返すだけ。

その後も何やら話していたようですが、美代さんの口から、
「オレ・・・忘れるごど多ぐなってよ・・・すぐに忘れるんだぁ・・・」

これを聴いた伯母はナイスなことを言ってきたようで、
「うんうん、そだなぁ・・・その通りだ。おめはん、いいごど言う」

そして「お互い元気で長生きするんだ」で、電話が終わり。

「アレはいいごど言ってだ。おだがいに90だ。90にもなれば、ものも忘れるんだがら、全部年のせいなんだってよ」

86歳と87歳の老婆の会話。
一人は認知症、もう一人は年齢的な物忘れのあるクリア。
会話が成り立っていたのは、伯母が合わせてくれていたからのでしょうか。

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午後、3時過ぎ。
今度はいつものヨッコさん。
やはり触っていたら繋がったと。
最近のヨッコさんは、美代さんの認知症を受け入れつつあるようで、何度も同じ会話に付き合ってくれているようですが、昨日は何やら言ってきたようで、
「は?おめ、オレのごど試すてらのが?」

美代さん、ちょいとお冠でしたが、すぐに機嫌が直り、アハハ・オホホの大笑い。
「ヨッコど話すてるどぎが、いぢばんおもしれ」

ヨッコ叔母さん、いつもありがと様です。
因みに、
甥のYさんの「がん」のことは、結構な頻度でヨッコさんとの会話にあがっています。

1日の半分を電話で過ごした美代さん。
夕方、あたしに言ってきました。
「オレ、誰がど電話したっけが?それとも夢が?なんだが夢のながのよったぁ
(夢の中のようだ)

話好き・電話大好きな美代さん。
会話の内容は飛んでしまい、夢の中の出来事となってしまうようです。

そして、電話代がかかっていること、理解しているのかしら?
まぁ、していませんね。


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