一昨日の晩、母美代さんの1本だけ残っている差し歯が外れました。

美代さんは総入れ歯ですが、上に1本だけ差し歯として残っており、その差し歯に入歯の金具を繋いでいます。

晩ごはん後の歯磨き中にポトンと洗面台の中に落ちたらしいのです。排水口には網が入ってあるので、流れることはなかったようです。が、それより食事ができないことの方を心配していました。

昨日はデイケアでリハビリ会議があるので休むことはできず、朝食は以前買っておいたレトルトのお粥と、コーンスープで済ませてもらいました。

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そこまでは善いのですが、
美代さんは入歯のない状態の顔を他人様に見せたことは、一昨年の脳梗塞入院時以外ありません。(歯科医院は別)
デイケアでの昼食・入浴時にはマスクを外すことになります。
当然、クシャおばあさんの顔を晒すことに。(そう言えば昔、クシャおじさんが流行りましたね笑)
85歳と言えども女です。プライドがあります。
クシャ顔を皆様方にはお見せしたくないと言い、リハ会議後はあたしと一緒に帰ることにし、スタッフさんにもお伝えしていました。

そしていざ帰り支度。
丁度お昼時です、お腹が空いている美代さんは少しだけ駄々っ子になりました。
「いいにおいしてきた~、お昼だ。こごのご飯は美味しい。食べて!」
(食べたい)

「えっ?あなたその顔を見せるのが恥ずかしいから、食べないで帰るって言ったよね!」

したって、腹空いでる」(だって)

朝ご飯はちゃんと食べたのだから、無理は言わないようにとなだめたのですが、
「あんたな少しのおがゆなど、食べだけね!」(お粥、食べがいがない)

隣でスタッフさんが苦笑・・・。


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帰宅後、スープを調整できるタイプのノンフライカップうどんを作り、所定時間の3倍のをかけてテーブルへ。
「軟らかくて美味しい・・・」

クタクタで箸で持ち上げると切れる状態のうどん・・・さぞかし美味しかったことでしょう。
あたしはパソコン教室があったのでその後出かけました。

教室からの帰宅途中にスーパーで介護食や舌でつぶせる食材を購入し、帰ってみるとテーブルの上に串団子の串が。そして、台所のボウルの中にはご飯粒のついたお茶碗が。

「美代さん?串団子・・・食べられたの?それに、ご飯も?」

「うどん、美味しがったども、つゆのごして腹いっぱいにならねがら、口のながで遊ばせで食べだ」(残して)

まぁ、長い時間口の中に入れておけば、唾液で軟らかくなるのかもしれませんが、それにしても食べることに執念を燃やす美代さん。

「祖母ちゃんて、食べるボケじゃないの?!」
むすめ達が言っていましたが、ほんにそう思います。
お焼香や血圧測定を忘れることがあっても、食事を忘れることはない。
逆に言えば、食べ物に興味がなくなったら「危ない」ということになるのでしょうね。

つい今しがたの会話の内容を忘れ、日付・曜日の感覚がわからなくなり、入歯がなくても執念で食べる。

あ、ケアマネさんのおばあ様のこと思い出しました。
入歯無しで、たくあんを食べるおばあ様。

クシャ顔を晒す勇気が出てくれば、もしかして美代さんもそのうち・・・。

PS
今日の午後2時から歯医医院の予約を取っています。
予約時間を何度も訊いて来る美代さん。
残る記憶と残らない記憶・・・違いは何でしょうねぇ~・・・。


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