お腹が空いたと言い、冷蔵庫の中を物色していた母美代さん。

朝食用の一人用マカロニサラダを持ってきて開けようとしていたので、ストップをかけました。
「ねぇ、お腹が空いた時は、チーズを食べるように言ってるでしょ」

「そだけが?」

カマンベールとアーモンド入りのベビーチーズを渡してあげました。
始めにカマンベールチーズを食べ「美味しかった」と。
「もう一つの方食べてみて。アーモンドが入っているから食感が違うよ」

ひとくち噛んで、
「お、アーモンド入ってる。美味しいな!」

食べ終わった次の瞬間、
「何だが、ぽつぽつするの入ってだな」

アーモンドのことが、ぽつぽつするものに、なってました。

先にあたしが「アーモンドが入っている」と言ったので、先入観で「アーモンドが入っている。美味しいな」の、言葉になったのか?
あたしが、何が入っているのかを言わなかったら、美代さんには解からなかったのか?
まぁ、考えてみたところで美代さんの症状が改善されるわけでもないので、ほっときましょ。

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昨夜、録画しておいたドラマ「砂の器」を観ました。
松本清張作品は、難しくやり切れなさが残る作品、という感情を持っているあたしですが、現代風にアレンジされていて、難しさは感ぜず、引き込まれていました。

出演者の中に、最初に殺害される役で高嶋政伸さんが、出てきます。
彼の名前が・・・出てきませんでした。

お父様・お母様・お兄様の顔も浮かぶのですが、名前が出てきません。
頭の中で、あたしの考案した名前思い出し作業を、ア行からやってみたのですが、なかなか出てきません。
まぁ、そのうち出るか・・・。
そうなんですね。考えているときはなかなか出ないのに、いきなり「ポッ」と、出てくるのです。
・・・あ、高嶋政伸さんだ・・・
痞えていたものが落ちるような、スッキリ感。
まだ、大丈夫かな・・・。

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泉ピン子さんが、ワンポイントで重要な役で出ていましたが、一緒に観ていた美代さん、
「あっ、このおなご、名前何だっけ?」

今の母によ~く思い出してみてと言っても無駄なので、名前を教えてあげました。
「ああ、そだ~。泉ピン子だ~」

美代さんも頭の中では分かっていても、言葉に出ないことが多くなってきています。
そして、あたしの様にその場で思い出そうと思わないようです。
何だろう・・・?
思い出さなくても、別に~みたいな感じです。

それでいて、2~3日後に急に思い出し、
「ほれ、あのおどごの名前思い出した」

いきなり「あの男の名前」と言われても、あたしの方が戸惑います。


物忘れと思い出すことの比率が、交錯している美代さん。
昨夜の入浴時も、おかしなことをしていました。

違うでしょ。そうじゃないよ。こうするのよ。
説明するより、やってあげた方が早い。
と、思いながらも、まだやれるか~と任せてしまうズルい娘のあたしです。


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