認知症に限らず親の介護をされている息子・娘さんは、基本的に優しい・・・?のでしょうね。

何故、?なのかと申しますと、あたしもこの介護をしている娘の一人ではありますが、あたし自身は決して優しいとは思っておらず、言葉は悪いのですが「しかたなく・・・」の想いが強いからです。

あたしは二人姉妹の長女として生まれ、幼い頃から「家を継ぐ」跡取りとして育てられた。
3歳違いの妹は、
「お姉ちゃんはいいね、ずっとお父ちゃんやお母ちゃんの傍にいられて」と言っていた頃があり、その当時はそれが当然なのだと思いながら生きてきた。


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妹は高校卒業後、短大に進学し保育士の資格を取り、卒業後は家には戻らず盛岡市内にアパートを借り、保育士として独り暮らしを始めた。

車通勤が出来ない距離ではなかったが、婿取りのあたしが結婚し、あたしたち夫婦と一緒の生活が嫌だったのだろう。

18歳で親元を離れ、短大卒業後は、生活面など全てを一人でこなしていた妹には頭が上がらなかったのは事実だが、その代わり家の事に関しては一切手を貸してくれることもなかった。


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二人兄弟の長男に嫁ぐ日、妹に言われた。
「お姉ちゃん、お父ちゃんとお母ちゃんのこと、お願いします」

今更?と思ったことを憶えている。

長男に嫁ぎ、夫の仕事の関係で埼玉に居を構えた二人。

妹の婚家のご両親は既に他界している。
人生の後半は二人とも認知症となり、共に施設での生活だったと聞くが、お姑さんが60代で若年性認知症となり、お舅さんが一人で介護されていたようだ。
10年前、父が亡くなった際には、葬儀にも参列頂いたが、そのときのお姑さんは、自分の息子の顔も覚えていない様子だった。
しばらくして、お舅さんも認知症を発症。
凶暴性のある症状の為お母様と同じ施設には入居できず、精神病院に入ったと聞いている。

長男に嫁いだ妹は、義両親と同居することもなく、また介護の経験もなく生きている。
夫の転勤で神戸での暮らしを楽しんでいる妹。

母美代さんの認知症をどれほどに思っているのか、御機嫌伺の電話をくれることもない。
それでも娘の声を聴きたくて美代さんから電話をかけることもあり、
「たまにはそっちからくれ」と言う母に対して、

「電話代がかかるから、ばあちゃんからちょうだい」
と言ってくる。


こういう人生もあるのだね・・・。



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