右手だけで出来るように色々と工夫し、母美代さんにレクチャーしている。

骨折以前は、時間がかかっても一人でさせていた。一人で出来ることが大事なのだと言い聞かせていた。
母美代さんも「何くそ根性」「負けるものか」の気合を入れていた。
ズルい娘のあたしは、「そうだよ、一人で出来ることが偉いんだよ」と、母の気持ちをくすぐるように出来るように仕向けていた。
その母が、弱気になっている。
弱気というより、わがままになっている・・・ような気がする。

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今の母は幼子と一緒。あたしの孫の怪獣くんは3歳だが、全く同じだ。
朝晩の着替えはもちろん、トイレでのズボン、リハパンの上げ下ろしなどは、あたしがするのが当然と思っているようだ。右手はこれまで通りに使えるのに、その右手で工夫しようとは思わないようだ。

骨折してからの2日間ほどは「まげね」(負けない)と言い、それなりに工夫していたようだが、ここにきて、甘えが出てきている。
骨折したことで、全てのやる気が失せてしまったのか・・・。

昨日の朝食と薬の件は記してあるが、食べ終わりが12時半頃で、その後の母は居間の高座椅子に座りっぱなし。気が付けば入浴の時間になっていた。
その間、トイレに立つことも大好きなお菓子を食べることもなしに、ただボーっとTVを観ているのみ。
朝食が12時なので、昼食は4時ころかな?と思い声を掛けたがお腹が空かないので食べないと言う。

「美代さん、そろそろお風呂だから立って」

声を掛け、着替えや手を覆う袋の準備をしていたが、なかなか立たない・・・いや、立てないのだ。
長時間、同じ姿勢での座りっぱなしで、足が固まったようで動かしたくても動かせない。
やっとのことで立ち上がったはいいが、そのあとの1歩が出ない。
あたしも映画館などで、観終わった後にスッと立ちあがれないこともあるが、母もその状態だったようだ。

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    高さの違い、お判りいただけますか?

何とか1歩を踏み出したが、よろめき2歩目が出ない。
普段の動きも緩慢だが、昨夜はトイレに着くまでの時間がいつもの3倍近かったように思う。
過活動膀胱・切迫性尿失禁のある母の、外した尿取りパッドはズシリとした重み。

入浴時もひと悶着。
湯船からの立ち上がり方が判らない・忘れたと言う。
ならばあたしが引き上げると言えば、それはいやだ・怖いと言う。
半身浴状態で、湯船から出るのに10分もかかり、汗だくの母。
結局、最後はあたしの手を借りて立ち上がり湯船からの脱出。

この10分間、あたしは何も言わず見守っていました。手を貸したくても、全身オーラで拒絶する母にどの様な対応が適切なのでしょうか・・・?

入浴後は居間の椅子ではなく、台所の椅子で水分補給。
食事の支度までの間、コックリコックリ。
お風呂での一人格闘が、かなりの疲れになったようです。

パンツを引き下ろすことはやってほしいが、湯船に出入りの介助は怖い。
そのうち、すんなりと任せてもらえる日が来るの・・・?

長時間、高座椅子から離れようとしなかったのは、骨折により、やる気が失せていたのかもしれません。
トイレに行くことも、大好きな食べることもなくの4時間。その間の、あたしの対応の不味さも指摘される部分です。軽度・まだらボケではあるが、トイレの意思表示は出来ていた母美代さんでしたので、任せておいたあたしの落ち度なのでしょう。

今日はデイケア日。入浴は園で済ませてもらえるので、気が楽です。

あたしに、もう少し母を案じる気持ちがあればいいのでしょうけれど。
はぁ~。ため息しか出てきません。


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