今日のことわざは「人は情けの下で立つ」です。
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母美代さん。今朝の起床は7時半。デイケア日以外は8時過ぎの起床だが、トイレに起きたついでに着替えることにしたようだ。
美代さんのトイレ時間は(小)長い。年齢的な動作の緩慢もあるのだろうが、体重増加も影響しているとも考えられる。朝のトイレ時間はある意味戦争になる(笑)


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朝食を終えて、

「尿取りパッド買いに行ぐじゃ」

近所にあるドラッグストアまで散歩がてらの買い物に行くという。
先日の定期検診で、体重増加を解消するためにも運動を引き続きやるようにと言われたので、その気になったのだろう。

暫くして、母からの電話。

「オレのあれ、どのくらいだっけ?どれ買っていいのがわがらなぐなった」

・・・はハーン。尿取りパッドの給水量を忘れたのね・・・

忘れることがあるのにメモしない。この感覚がわからない。メモにすること事態を忘れるのか?そう言えば、母は普段の買い物(食材)でもメモらない。メモ書きしても忘れるあたしの方がヤバイ!

「220㏄だよ。あるよね?」

「どれがそだのがよぐわがらね。店の人も近ぐにいね・・・」

と、母の声以外に電話の向こうで何やら女性の声がする。
訊くと近くにいる買い物客のお一人が、腰を屈めて困っている母の為に椅子を持ってきて座らせてくれたらしい。尚且つ一緒に探してくれているようなのだ。
電話を替わるように言い、丁寧にお礼を述べた。


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30分ほどして玄関から母以外の声が聞こえてきた。

・・・何?誰か一緒なの?・・・

母のあたしを呼ぶ声がする。急いで出てみると見ず知らずの一人の女性。
わざわざ母を送ってきてくれたらしい。
お礼のためにお名前を伺うと、自分の名前を言わず、もう一人の方「Sさん」とおっしゃる方の運転で買い物に来たと。車で待っている「Sさん」の元へ。
同じ方向へ帰宅なのかと思いきや、わざわざ母のために方向を変え寄り道をしてくれたようだった。
丁重にお礼の言葉を述べ、車が見えなくなるまでお見送り。
部屋に戻り、母に誰なのかと訊くと店で一緒に探してくれた方のようで、「とても親切にしてくれた。有難いことだ」と。

母の歩く姿は、ピンクの頭髪にバッグを背負い杖を突く姿は、世間ではどのように観えているのだろう。さも年老いた姿に観えているのか。それとも、か弱いおばあさんに観えているのか。
以前も、たった2段の外階段を上がることができず、車から降りてきた男性が手を貸してくれたと話していた。
一度甘い想いをするとそれが当然とつけあがる。あたしはそう思っている。だから、なるべく手を貸さないようにしている。(冷たい娘です)

思うに、一人で買い物に行っているときは、このようなことが頻繁にあるのでは?だとしたら世間の風は母にはとても優しく吹いているようだ。

~今日のことわざ~

『人は情けの下で立つ』

世の中は人情でもっているので、情けは大切なものである。都会は疎外とか砂漠とかいわれているが、やはり人情は失われていない。逆にそれを大切にして生きているというのが本当であろう。大切だからこそ問題にするのだ。

(日東書院発刊 ことわざ辞典より)

北関東の小さな街『古河』の人情。
そう言えば、送って頂いた「Sさん」のお住まいは、お隣『野木町』と仰っていました。 



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