本当に認知症なの?

母美代さんは、心に寄り添うことができない。
いい加減、頭にくる。
再度?再再度?再々再度?すみません。度々の事で何度目なのか忘れましたが、今度もまた?の話です。

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昨年の9月、脳神経外科にてアルツハイマー型認知症の診断を受ける。
約1ヶ月後、脳梗塞発症。右脳だったことと、発見と処置が早かったので後遺症はなし。
現在、脳梗塞再発予防の薬と物忘れの薬、そして過活動膀胱突発性尿失禁の薬を飲んでいる。

母は料理嫌い。料理は父のほうが得意だった。そんな環境の中で父他界。
父が亡くなってからは、一層料理嫌いに拍車がかかり、ご飯・みそ汁・漬物の3点セットの生活を8年。
たまには魚を食べることもあったようだが、基本野菜中心の毎日。

あたしと暮らすようになり、観たこと食べたことのないような料理が食卓に並ぶ。(注:母にとって)
その中には、拒否反応を起こす料理もあり当然の如く残す。人生は経験値だ。分からないものを口に入れることには抵抗があるだろう。何より総入れ歯の母、「硬いものは食べ物に非ず」の考えだ。

昨夜、言い争い。
一昨日のおかず、ロールキャベツのトマト煮。汁が少し残ったので明朝リゾットで食べることを提案。
リゾット・・・わかるはずがないが、簡単に説明。「美味しそうだな食べてみたい」の返事で昨日朝食へ。
あたしは朝食は摂らないので、母のみ済ます。完食したようだった。

そして昨夜。
「ねぇ、リゾットどうだった?」

「なぬよ?」

あぁ、やはりだ。今朝食べたものの説明。

「おどどい食べだ味ど同じであぎだ。美味しぐねがった」

「えっ、食べてみたいって言ってたよね?それに少し味を変えたのよ」

「何がなんだがわがらねものより、漬物やキャベツの千切りのほうがおがずになる」

「解った、もう作らない。漬物やキャベツは自分で作ってよ!」

あたし・・・切れた。
その後、ボソッとつぶやく母。

「・・・めんどくせ・・・もうたくさんだ」

面倒くさい・・・作るのが面倒。
もうたくさん・・・漬物以外は要らない。
作ることが面倒なのだ。故に漬物以外は要らないと言う。
認知症患者は作ることを忘れる。この考えは認知症ではないと思う。

「勝手だねぇ。もうあなたの分は作らないよ好きにすればいいのよ」



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夜遅くに友人に相談。友人はご両親を亡くされているので、あたしの母を親しみを込めて「お母さん」と呼ぶ。

「お母さん、ほんとに認知症なの?この間のとんかつ店の件で頭きてるんだけど。ご馳走さまも言ってもらえなかったよ。まぁ、美味しくないのにご馳走さまは言えないかぁ。漬物食べて、また脳梗塞になったら非難されるのあんただよ。いいの?」

元々、気遣いのできる人ではない。言葉の裏読みもできない。社交辞令などおおよそできない。悲しいかなこれがあたしの母親だ。
これらを踏まえて、これまでのことが本当に認知症からの行動言動なのか。


更に友人が言う。

「お母さん、わざとボケてるんじゃない?だって、電話の時はすっごくまともなんでしょ?」

そうだ。母の妹たちとの会話時は、とても認知症の患者が話しているようには見えない。

「もう、何が何だかわからないのは、あたしの方なのよ。疲れたわ」


今朝、デイケアより迎えが来るギリギリまでなにやらしていた母。
まともな会話もせず、あたしの方が無視の形。
迎えに来てくれたKさんは母のお気に入り。北海道出身で言葉が通じるらしい。それこそ「外面良子さん」で出かけて行った。

夕方、脳梗塞の定期検診とインフルエンザの予防接種。


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