昨日の母美代さん。

部屋で何やらガサゴソ。あたしは知らんふり。
少しして、シーツを片手に、

「これ、シーツだじゃな。岩手がら持ってきたのだっけが?」

冬物のアクリルBOXシーツです。昨年の今頃、電気毛布にはまだ早いと思い某「〇まむら」で購入したことを伝えると、

「そだのが・・・でも、使ってねがえ?」(使っていなかったんだろ?)

いえいえ、「あったげぇ」と言い使っていましたよ。でも、BOXゆえマットに挟むのが面倒・時間がかかるの理由で敷かなくなった言いますと、

「そだそだ、めんどくせがったんだ」

・・・思い出したの?・・・


しばらくして今度は冬物帽子を持ってきて、

「この帽子はここで買ったのが?」

お洒落に関心がない母ですが、昔から帽子は大好きで夏物は5~6個ほど持っています。冬物なので、クローゼットの中へ仕舞っていました。

「それは、まつもり(実家で母御用達の洋品店)で自分で買ったものだよ」

「オレが買ったてが・・・忘れだじゃ・・・このポンポン右が左が?」

「それは左」


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被らせました。

この帽子、3月頃まで普通に被ってました。もちろんポンポンは左で。
使っていたことや、自分で買ったことも忘れる。被り方も忘れる。
あたしも、忘れることはあります。でも流石に被り方は憶えています。知っています。

こうだよああだよと説明したのち、突然、

「こごにきたどぎ、おめはきかねくてオレはおごられでばがりいだ。今はおめが優しぐなったのが、オレがものわがりよぐなったのが」(ここに来たとき、お前はキツい・荒い・恐いで、わたしは怒られてばかりいた)

「怒ってたつもりはないよ。何度言っても解ってもらえないからきつく感じたんじゃない?今はあたしも学習したのよ」

・・・自分の物分かりが良くなったと感じてるんだ・・・

認知症は、怒られた記憶だけはずっと残るとありますが、
こういうことなのですね。



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録画しておいた「大恋愛」を観てました。
主演の戸田恵梨香さん演じる尚のセリフを聴いた母は、ポツリと

「自分のごどもわがらなぐなるんだなぁ・・・」

と、言いながらもその後は特に変わった様子もない。
でも、あたしには変わった様に見えなかっただけで、本人は怖いと感じているかも知れない。そこが今の母の解せないところ。

専門書には軽度であれば仕事を与えたほうが良いとあります。
トイレ掃除とお風呂の湯ハリを頼むことにしました。
トイレは、ティッシュにシュッッシュッと振りかけて拭くタイプ。
お風呂は、排水溝に栓をし蓋をして自動のボタンを押す。

たったこれだけの事ですが、今の母には大仕事。お風呂の湯ハリについては春頃にやってもらっていますが、初めて聞いたと言います。
明日、憶えているのか?やる気はあるようですがいつまで続けられるのか疑問。「忘れだじゃ」がでることは間違いないと思いつつ・・・。

【発想の転換】
忘れていくことは仕方のないこと・どうにもならないこと。

母は、元々知らない・出来ないことが多い人。
何でも出来ていた人たちが出来なくなったのならショックは大きい。だが、元からできない・やらない人なのだから出来ることがあれば「御の字」
今出来ることをやってもらう。



ドアの閉め忘れはほぼ毎回。諦めました。


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