母は(美代さん)男児を産めなかった。
長女のあたしが婿取り。が、あたしも娘ふたり。

二十歳で産んだ長女は、独身
(いづれ、結婚するだろうと思ってはいるが)
我が家には『跡取り』がいない(女系家族の宿命だろう)

次女の言葉から【墓じまい】【お墓事情】を考えてみました。

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3年前に嫁いだ次女が言う
「おかぁ、おかぁが祖母ちゃんの面倒見るのは当然だよね!でも、あたしはおかぁの事はみれないし、お姉だって、独身のまま終わるかもしれないんだよ。自分の事は自分でなんとかしてよね。

順番で言えばお姉が先に逝くよね?その時点でお墓を守る者は居なくなるよね。まぁ、暫くはあたしが守るけど、あたしの子供に墓守をさせることは考えていないよ、何れは『墓じまい』するからね」

現代は、そういう時代なのかもしれない。
30代の頃に、岩手日報(地方新聞)の『声欄』という投稿コーナーに載ったある方の言葉が今も忘れられない。

~妻の家名を継ぐため婿入りし、心ない者から満座の面前で「婿」「ばか婿」と言われたこともあった。妻は自分と結婚したためにこんな辛い思いをさせて申し訳ないと謝ったものである。私も娘二人だけである。娘には家名の存続を考えなくとも自分たちの将来を託せる男性だったら迷わず結婚するようにと教えてそのようにした。〇〇家は自分の代で断絶することになったが、娘の幸せのためにあの世で甘んじて先祖の懲罰を受けるつもりでいる~

と言う内容だった。
読んでいて、立場は違うが自分と似たような境遇なのだと、つくづく実感し熟読したことを憶えている。

更に次女が言う。
「祖母ちゃんもおかぁも男児を産めなかったでしょ。お姉が嫁いで産んだら男児かもしれない。でも、婿取りしたら、男児は生まれないと思う。うちはそういう家系なんだよ!

あたしは男児を産めたよ。でも、婿取りしてたら違ってたと思う。そういう運命なんだよ・・・」


どこに根拠があっての発言なのかは定かではないが、独身の姉と嫁いだ自分により跡取りがいなくなることへの、覚悟を持つようにとの次女なりの言葉だったのだろう。

母は、長女が婿取りをしてくれることを諦めてはいない。
「〇〇はいづ結婚するんだ。はやぐしないど、産めねぐなるべ」

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両親には話していなかったが、次女が生まれた時点であたしの代でこの家は終わるのだと・・・婿二代は考えられなかった。

【墓じまいとは】
墓を撤去したり処分したりすること。墓参りをするのが困難、墓参りをする人がいなくなるといった場合に、墓の管理者(近親者など)が行うこと。墓じまいをした後は、近所に新しい墓を購入するか、納骨堂を購入する(永代供養)、散骨・自然葬をする、自宅供養をするなど、様々な供養の方法がある。
(参照 知恵蔵mini)

長男に 嫁いだ次女は、子供に我が家の墓守の面倒は掛けさせたくない。と考えている。

長女は独身。次女は跡取り息子に嫁ぎ、何れ墓守人はいなくなる。
我が家の場合は、墓参りをする人がいなくなるに相当するのだと思う。

【お墓事情に関すれば】
樹木葬、海洋葬。最近では宇宙葬などもあり、お骨を納めない様式もあるようだが、最後に残った者は誰に弔ってもらうのか。

あたしは幸せなのだろう・・・弔ってくれる娘がいるのだから。
そして、『声欄』の方のように、父・夫からのお叱りの言葉を受ける覚悟でいる。


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